https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00010010-nishinpc-life

地震はいつどこで起きるか分からない。いざ発生という時に、どう行動すればいいのか。
福岡大で防災士養成研修プログラムを担当する重松幹二教授(55)、正本博士助教(63)の
アドバイスをまとめた。

◆火元から離れて

まず自分自身、特に頭を守るのが基本。室内は家具の転倒、ガラスの破損、
照明の落下に注意する。トイレにいたら、扉に家具が倒れかかって出られなくなったという
例もあった。「いま地震が起きても大丈夫か」を想定して家具を配置し、安全な場所を作っておく。

「調理中に揺れたらすぐ火を消して」と習った人もいるかもしれないが、2005年の
福岡西方沖地震では、熱湯や油が飛び散ってやけどを負った人もいた。ほとんどの家庭は、
大きな揺れを感知すると自動的にガスを止めるガスメーターが設置されており、無理をして
火に近づかない方がよい。揺れが収まったらガスの元栓を閉め、出入り口を確保する。

◆乗り物の中なら

車を運転中に地震が起きたら、ゆっくり道路左脇に止まり、ラジオなどで地震の様子や
交通状況を調べる。車を置いて避難するときは、緊急車両の邪魔にならない場所に移動し、
車内に連絡先のメモを残しておく。鍵は付けたままにして、ドアはロックしない。

電車の場合は、自分で扉を開けて線路に出ると危険なこともある。火災の恐れなどが
ない限り係員の指示に従って行動する。

◆地下街にいたら

地下街では、ショーウインドーから離れ、通路の中央で揺れが収まるのを待つ。
停電しても誘導灯や非常灯が付き、非常口が60メートルごとに設置されている。
慌てて非常口に殺到せず、壁伝いに避難する。

◆避難するときは

自宅から避難するときはガス栓や水道栓を閉めておく。停電から復旧したときに起きやすい
「通電火災」を防ぐため、ブレーカーを落とすのも忘れずに。

玄関から逃げられないときに備え、マンションなどは、一部のベランダに避難はしごが
設置されている。どこにあるのか事前に確認しておく。

こうした対応はあくまで原則。重松さんらは「マニュアルに縛られず、状況に応じて
自分で判断することが大事です」と強調した。

◆離ればなれになったら…

地震のときに慌てず行動するには、普段から具体的にシミュレーションしておくことが大切だ。
福岡市消防局の消防司令補、松永達彦さん(42)は「子どものいる家庭は特に、
月1回の“防災会議”を開いて」と呼びかける。

家族でルールを決めておきたいのは、いざというときに誰が何をするか
▽非常用持ち出し袋や備蓄品の置き場所▽避難場所や避難経路▽離ればなれになったときの
連絡方法など。だが状況によっては臨機応変に行動しなくてはならない。

地震は、子どもの登下校中や外で遊んでいるときに起きるかもしれない。それによって
避難すべき場所も変わる。親子で地図を広げて「この辺りにいたら公園へ逃げる」
「習い事の帰りだったら公民館が近いね」など、あらゆる場面を想定して話し合う。
実際に歩いて、倒れそうなブロック塀や自動販売機などの危険箇所を頭に入れておく。
家族や親戚などの連絡先は紙に書いてランドセルに入れ、冷蔵庫などの目につく場所にも張っておこう。