http://jp.mobile.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN17M0DP

[パリ 19日 ロイター] - フランス大統領選の第1回投票が23日に行われる。世論調査では、中道系独立候補のマクロン前経済相が最有力とみられているが、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首、急進左派のメランション氏、中道・右派のフィヨン元首相との差は僅差で、かつてない混戦模様となっている。

大統領選では、第1回投票の上位2位の候補が5月7日の決選投票に進む。第1回投票のシナリオをまとめた。

<マクロン氏VSルペン氏>

2月初旬以降、世論調査で最も確率が高いと予想されているのが、このシナリオだ。

シナリオ通りの結果となれば、フランス政界に地殻変動が起き、既成政党が衰退していることが浮き彫りとなる。

マクロン氏は1年前に自身の政党を立ち上げたばかり。ルペン氏は欧州連合(EU)離脱を望んでいる。

ルペン氏が決選投票に進むシナリオは、フランス国内では既定路線となっているが、海外の投資家が動揺する可能性がある。

世論調査によると、この2人が決選投票に進んだ場合、マクロン氏が圧勝する見通し。

マクロン氏は親EU派で39歳。ルペン氏は48歳。決選投票で勝てば、フランス初の女性大統領となる。

マクロン氏が勝利した場合、6月の議会選で過半数議席を確保できるのか、という疑問が浮上するだろう。

ルペン氏が勝利すれば、大きな衝撃が走るとみられるが、やはり6月の議会選の結果が、その後の政策運営を大きく左右することになる。

<フィヨン氏VSルペン氏>

このシナリオは、1月下旬まで最も可能性が高いとみられていたが、その後、フィヨン氏の夫人が議員秘書として給与を不正に受け取っていたとされる疑惑が浮上。現在、世論調査のフィヨン氏支持率は3位、もしくは4位に低下している。

フィヨン氏は63歳。その後、支持率はやや盛り返している。世論調査機関によると、疑惑を受けてフィヨン氏を敬遠していた保守系の有権者が、マクロン氏の決選投票進出を阻止するため、土壇場でフィヨン氏に投票する可能性がある。

フィヨン氏は、ルペン氏との支持率の差が最も小さく、この2人が決選投票に進んだ場合、第1のシナリオよりも市場の警戒感が強まる可能性がある。

フィヨン氏は疑惑を否定しているが、大統領に就任した場合も、この問題を引きずり、政策運営の不透明感が強まる可能性が高い。同氏が提唱する大幅な歳出削減には、すでに賛否両論が渦巻いている。

ただ、フィヨン氏には共和党という政党組織の後ろ盾があるため、マクロン氏やルペン氏に比べれば、相対的にスムーズに議会で過半数をとれる可能性がある。
(リンク先に続きあり)

2017年 4月 20日 3:47 PM JST