http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170422/k10010957301000.html

東京電力福島第一原子力発電所の事故でメルトダウンが起きた3基のうち、
これまでほとんど内部調査が行われていない3号機で、来月、宇宙から降り注ぐ
素粒子を使って原子炉の内部を透視する調査が行われることになりました。

福島第一原発の事故では、1号機から3号機の3つの原子炉で核燃料が溶け落ち、
構造物と混じった「燃料デブリ」となって、原子炉やその外側の格納容器の中に
あると見られますが、どこにどのような状態であるのか、事故から6年たった今も
わかっていません。

このうち、3号機について東京電力は、さまざまな物質を通り抜ける性質がある
宇宙から降り注ぐ素粒子「ミューオン」を使って原子炉の内部をレントゲン写真の
ように透視する調査を来月行うことになり、今月中にも装置の設置を始める予定です。

国と東京電力は、ことし夏ごろにデブリの取り出し方法の方針を決めるとしていますが、
3号機では内部調査がほとんど行われておらず、ミューオンによる調査に続き、
ロボットなどによる調査も計画されています。

ことし、ロボットやカメラによる内部調査が行われた1号機と2号機では、いずれも
デブリを確認するには至っていませんが、去年までに行われたミューオンによる調査で、
1号機ではほとんどの核燃料が原子炉の底を抜けたと見られ、2号機では核燃料の
大部分が原子炉の底の部分に残っていると見られる調査結果が得られています。