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【4月22日 時事通信社】「反難民」を掲げるドイツの新興右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、党幹部らの路線対立で混迷を深めている。移民排斥を主張するフランス極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が仏大統領選に向け支持を保ってきたのとは対照的に、9月の独連邦議会(下院)選挙まで5カ月を残して失速が鮮明だ。

 中東などから2015年以降にドイツに殺到した難民問題やテロの脅威の高まりを受け、AfDの支持率は一時約15%まで上昇。主要政党に危機感を与えたが、このところ10%を割り込む結果が出ている。

 党の顔であるペトリ共同党首は19日の動画メッセージで、「一部幹部の過激な挑発的発言が党のイメージを左右している」現状を問題視。1月に党幹部がベルリンのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)記念碑を「恥辱」と表現し、批判を浴びた教訓を生かさなければ、党勢回復は望めないという考えをにじませる。

 AfDは22日から西部ケルンで2日間の日程で党大会を開催。ペトリ氏は難民対応などでの態度軟化も念頭に、将来の連立政権参加を視野に入れた「現実路線」での一致を目指したが、党内強硬派の反発もあり、党大会での討議が見送られた。(c)時事通信社

2017/04/22 20:27(ドイツ)