【ソウル=峯岸博】北朝鮮は25日、朝鮮人民軍の創建85年の節目を迎えた。韓国軍は同日、北朝鮮が日本海沿岸付近で過去最大規模の砲撃訓練を実施したことを確認した。
ただ、核実験や弾道ミサイル発射など重大な挑発は確認されていない。関係国は引き続き、警戒を強めている。

韓国軍によると、北朝鮮は25日午後、東部の元山(ウォンサン)で大規模な砲撃訓練を実施した。
砲撃訓練は野砲など300〜400の装備を投入し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が視察した可能性もある。

北朝鮮の外務省報道官は、トランプ米政権が非核化に関する国連安全保障理事会閣僚級会合の開催を予定するなど圧力を強めていることについて
「一触即発の朝鮮半島で全面戦争の導火線に火を付けるも同然の危険極まりない行為だ」と批判。
「核戦力を中枢とする我々の強力な革命武力で米国の息の根を止めるだろう」と威嚇した。朝鮮中央通信が伝えた。

一方、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の日米韓首席代表は25日、都内で会合を開き、北朝鮮への圧力を最大化していく方針で一致した。
6カ国協議議長を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表も25日夜に来日。26日には外務省高官と会談する予定だ。

中国外務省の耿爽副報道局長は25日の記者会見で、武大偉氏の訪日について「朝鮮半島問題について意見交換するのが目的だ」と説明。
「中国は国際社会に責任を負う北東アジアの国として北朝鮮核問題の解決のためにずっと努力してきた」と強調した。

谷内正太郎国家安全保障局長は、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話で協議し、北朝鮮問題で引き続き緊密に連携することを確認。
岸田文雄外相は28日にニューヨークで開催される国連安保理の閣僚級会合に出席する方向だ。

配信 2017/4/26 1:28

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