毛虫もおならをするのだろうか? そんな素朴な問いが子どもたちの笑いにつながればと、建築家の松村正希さん(69)=京都府宇治市=が、「けむしのおなら」と題した絵本を出版した。動物園や学者への取材を基に、生き物たちの多様なおならの実態をコミカルに描いている。

建築設計会社「莫設計同人」社長の松村さんは、障害児施設や児童福祉施設の設計を数多く手がけ、毎年、つながりのある施設にディナーショーをプレゼントするなど、子どもらと触れ合う機会が多い。

一昨年末のある夜、「毛虫はおならをするのか」との疑問を夢の中で抱いた。さまざまな事情で家庭に恵まれない子どもたちに、少しでも笑いを届けることのできる絵本の題材になるのではとひらめき、出版を決意した。

絵本では、ゴリラやサイ、ゾウなど11種類の動物のおならを擬音語で紹介。絵を担当する村上祐喜子さん(62)=大阪府茨木市=とともに、霊長類学者の河合雅雄さんや鹿児島大共同獣医学部、京都市や大阪市の動物園などに取材を重ね、確認できた事実を話に盛り込んだ。

こぼれ話のページでは、「トラやライオンは肛門に脂肪層がないため音がしない」といった知識や、毛虫も食事で空気を飲み込んでいるため「集音マイクなら聞こえるかもしれない」との専門家の見解もつづる。ピアノ伴奏で歌える曲も作って、巻末に楽譜を載せている。

松村さんは「動物園の動物たちがおならをしているかなど、誰も気に掛けないが、実はちゃんとしている。子どもたちが想像を膨らませ、声を出して笑ってくれたらうれしい」と話す。
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ソース/京都新聞社
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20170428000058