裁判で不当とされた解雇の金銭解決制度の創設に向け、厚生労働省は15日、月内にもまとめる報告書原案を有識者検討会で示した。
解雇の助長を防ぐため、制度の利用を企業から申し立てることは認めないとした。
労働者が自分の意思で職場復帰しない場合、企業が支払う解決金に限度額を設けることも盛り込んだ。

裁判で不当な解雇と認められた場合、解雇された人が望めば職場復帰をあきらめる代わりに企業から解決金を受け取れるようにすることを「不当解雇の金銭解決」と呼ぶ。
15日の検討会では解決金に上下限を設けることに対し、委員から「検討会での同意は取れてない」「高額になりすぎないよう中小企業の負担に配慮してほしい」などの意見が出た。

厚労省は報告書をまとめたうえで、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で法整備に向けた議論を始めたい考え。
ただ労働者側は制度の導入自体に反対しており、取りまとめが難航する可能性もある。

配信 2017/5/15 19:13

日本経済新聞
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