加計学園誘致を政策の目玉に掲げる今治市の菅良二市長。3期目を目指す選挙戦の準備を始めた去年10月頃から「(加計誘致は)安倍総理が全部やってくれているから、地元が口をはさむ余地はない」と話していたことが分かった。

菅市長に近い筋が田中龍作ジャーナルに明らかにした。菅市長は行く先々で上記のように話し、誘致成功を確信していたという。「(安倍首相が議長を務める)内閣府・国家戦略特区会議から今治市に頻繁に入ってくる情報で市長は確信を深めた・・・」と同筋は見る。

国家戦略特区の公募は、今年の1月4日開始で11日締め切り。1月20日、政府は加計学園を獣医学部新設の特区事業者に認定した。1校に限り認める、というものだった。

菅市長は特区公募開始の3か月前から加計学園が今治市で獣医学部を新設できるようになることを知っていたことになる。1校に限り認められるという狭き門をパスできることを知っていたのである。

同じ頃(昨年10月)、加計学園は特区事業者にまだ認定されていないにもかかわらず、今治市の市有地でボーリング調査を行っていたことも明らかになっている。

37億円相当の市有地は今年3月、加計学園に無償譲渡された。現在、獣医学部キャンパスの建設工事が進む。

加計学園が今治市でボーリング調査を行った翌月(昨年11月)、ライバルの京都産業大学は国家戦略特区の選から外れた。

加計学園獣医学部(今治市)をめぐっては文科省が内閣府から「総理の意向だと聞いている」と言われたことを記した文書の存在が明らかになっている。

文書は昨年10月に作成されたと見られている。菅市長(当時・候補者)が「安倍首相が全部やってくれているから」と言い始めた頃である。

そして翌月(昨年11月)、52年ぶりとなる獣医学部の新設が認められた。

市議会関係者によれば、加計学園誘致計画が市議会議員に正式に示された去年(平成28年)11月の時点で、平成30年4月の開校は決まっていた。すべてが既定路線だったのである。

加計孝太郎理事長の最も親しいお友達である安倍首相が「全部やってくれた」結果、加計学園は今治市に 上げ膳据え膳 で誘致されることになった。

田中龍作ジャーナルは事実確認のため、今治市の秘書課にコメントを求めたが、「市長はいない。担当者もおらん」と断られた。

    〜終わり〜

菅良二市長。少子高齢化、人口減が進むことを理由に加計学園誘致を説くが。
=3月、今治市議会 撮影:筆者=
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