5月10日に、インドのアッサム州の村で一つ目の子ヤギが誕生した。このような重い障害をもつ動物は生後すぐに死んでしまうことが多いが、この子ヤギは生後8日目を迎え、人々を驚かせている。

顔の真ん中に巨大な目が1つだけある奇形は「単眼症」と呼ばれ、脳が左右の半球に正しく分割されず、左右の眼窩が癒合して1つの大きな眼窩が形成されることで生じる。

単眼症の症例は、ヒトを含む哺乳類で見られるのがほとんどだが、2011年には、捕獲されたサメ(ドタブカ=メジロザメ属の1種)の胎内から、数匹の正常な胎児と一緒に1匹の単眼の胎児が見つかっている。

単眼症はふつう、遺伝子の変異により発症するが、妊娠中の母親が摂取した毒素により引き起こされることもある。かつて米国アイダホ州では、胎児の成長を阻害する毒素を含んだ植物をヒツジが食べた結果、10年にわたり単眼症の子ヒツジの誕生が相次いだこともあった。

単眼症は、ほかの奇形を伴うことが多い。この子ヤギも、目にはまつ毛やまぶたがなく、耳も片方しかないし、歯の本数も足りない。顎は極端に短く、鼻の形成も不完全だ。

地元の獣医師たちは、子ヤギが単眼症になった原因はわからないとし、2〜3日で死亡するだろうと予想した。けれども、名前のない子ヤギは、飼い主のムクーリ・ダース氏の世話を受けて、すでに1週間生きている。

ダース氏は『Caters News』に、奇跡の子ヤギを見に、毎日何十人もの人がやって来ると語った。遠方からわざわざ見にくる人もいるそうだ。「このヤギが我が家に幸運を運んでくれると信じています」とダース氏は言う。

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