22日午前0時頃、群馬県南牧村羽沢の「体験型農村レストラン潺せせらぎ」から出火、木造2階建物約560平方メートルと隣接する木造2階建物約340平方メートルが全焼した。

 旧尾沢中学校の校舎だった建物は、村で自然体験を行う「ぐんま山森自然楽校」の拠点でもあり、村民らからは建物の焼失を残念がる声が上がっている。

 富岡署の発表によると、この火事で、近隣の6世帯10人が近くの村民俗資料館に避難したが、けが人はいなかった。21日午後9時頃まで、経営者の女性(50)が建物内に設置されたピザ窯にまきを入れる作業をしていたといい、同署で出火原因を調べている。

 レストランは、旧校舎を村から借り、村への移住者が2013年春頃に開店した。関係者によると、春から秋頃にかけて営業していた。近年は南牧村産の野菜などを使った食事を提供し、店のピザ窯を使ったピザ作りの体験もでき、観光客にも人気のスポットだった。

 ぐんま山森自然楽校も、建物や敷地を使い、川遊びやキャンプなどの自然体験教室を開催していた。

 レストランで使う食器を提供した、近くに住む陶芸家の中瀬伸子さんは、「(経営者の女性とは)周辺に村を訪れた人が立ち寄れるお店が増えればいいと語り合っていた。これからだったのに残念でショック」と話した。近所の高齢女性も「過疎の村で、人が集まる拠点になっていた。若い人が一生懸命やっていた」と話していた。

2017/5/23 11:38 読売新聞
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