ロンドン西部で30年前、女性が不用品セールで10ポンド(現在の為替レートで約1450円)で購入した装飾品が、本物の26カラットのダイヤモンドだと分かり、関係者を驚かせている。




ダイヤモンドは今年7月に競売大手サザビーズによって競売にかけられる予定で、35万ポンド(約5000万円)の値が付くとみられている。

匿名を希望している所有者は、1980年代にロンドン西部アイズルワースにあるウェスト・ミドルセックス病院で購入した際には、「並外れて大きい」石は模造品だと思ったという。




女性はこのダイヤモンドを約30年にわたり、日常的に使っていた。19世紀にクッション型にカットされた、26カラットのダイヤモンドだなどとは、まったく気づいていなかった。

サザビーズ(ロンドン)の宝飾品部門を統括するジェシカ・ウィンダム氏は、「所有者は買い物に出かける時など、普段使いしていた。素敵な指輪なので」と語った。「模造品だと思って買ったもので、本来の価値がどれほどか誰も知らなかった。今までみんな、楽しんで身に着けていた」のです。

「不用品セールには長年通っていたそうですが、アンティークを収集したことはなかったし、ダイヤモンドを買い集めたこともなかった。たまたま見つけた、素晴らしい掘り出し物です」

カットの違い

ウィンダム氏によると、所有者は石が載った台が「不潔」で、ダイヤモンドらしい輝きがなかったことから本物の宝石だとは思わなかったという。

さらに、ダイヤモンドのカットの仕方が最近のものよりも「少しだけ鈍くて深かった」ことも、本物の宝石ではないと勘違いする原因になったかもしれないとウィンダム氏は言う。

「アンティークなクッション型にする旧式のカットでは、現代のカット方法ほど光が強く反射しないのです。当時の職人は、最大限に輝かせるよりも、大きさをできるだけ維持しようと、結晶の自然な形を生かしてカットしたものです」

ウィンダム氏によると、所有者は購入から30年ほどたって、もしかしたら本物かもしれないが価値が全く分からないと、サザビーズに持ち込んだという。その後、サザビーズは米国宝石学会に鑑定を依頼した。

「こんなに大きいダイヤモンドが自分の物だなんて、ほとんどの人はそもそも夢にも思いません」

ソース/BBC
http://www.bbc.com/japanese/39998421