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国連特別報告者の首相宛て書簡
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017052302000228.html
より
 
 プライバシーの権利は、この法律の幅広い適用の可能性によって特に影響されるように見えます。
さらには、法案を速やかに成立させるために立法過程を急いだことで、人権に有害な影響を及ぼす可能性があることにも懸念が示されています。
立法の過程を短くすることは、この重大な問題について広範な国民的議論を不当に制限することになります。
 
 私に委任された権限で、特に、プライバシー関連の保護と救済について、以下の5点に着目します。

1.新たに提案されているテロ等準備罪においては、犯罪の存在を証明するため監視強化が必要になると考えられるが、
新たな法律またはそれに付随する措置は、プライバシーを守る適切な仕組みを確立する特定の条文や規定を新たに取り入れることは想定されていない。
これが現時点の法案に対するわれわれの評価です。

2.公開されている情報の範囲では、監視活動に対する事前の令状主義の制度化も予定されていないようです。

3.国家安全保障を目的とした監視活動を事前に許可するための独立した第三者機関を法令に基づいて設置することも想定されていないようです。
このような重要なチェック機関を設立するかどうかは、監視活動を実施する個別の機関の裁量に委ねられることになると思われます。

4.さらに、捜査当局や安全保障機関、情報の活動の監督について懸念があります。すなわち、
これらの機関の活動が適法であるか、または必要でも相当でもない手段によりプライバシーに関する権利を侵害する程度についての監督です。
この懸念の中には、警察がGPS捜査や電子機器の使用の監視などの捜査のために監視の許可を求めてきた際の
裁判所による監督と検証の質という問題が含まれています。

5.嫌疑のかかっている個人の情報を捜索するための令状を警察が求める広範な機会を与えることになることから、
新法の適用はプライバシーに関する権利に悪影響を及ぼすことが特に懸念されます。
入手した情報によると、日本の裁判所はこれまで極めて容易に令状を発付するようです。
2015年に行われた通信傍受令状請求のほとんどが認められたようです。
(数字によれば、却下された令状請求はわずか3%にとどまります)