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[東京 3日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T)が電気自動車(EV)メーカー、米テスラ(TSLA.O)の株式をすべて売却していたことが3日明らかになった。両社は2010年に資本・業務提携したが、協業は進展せず、14年にはトヨタがテスラ株式を一部売却。トヨタによると、残りの株式も16年末までにすべて市場で売却したという。

トヨタはこれまでEVには慎重な姿勢を見せていたが、16年12月には社長直轄のEV開発組織を設置し、本格的な量産に向けて自社でEV開発に乗り出している。今後も協業の効果は見込めず、テスラ株式を保有している意義が失われていたとみられる。トヨタの広報担当者は、テスラ株すべてを売却した理由について「投資先の定期的な見直し」と述べるにとどめた。

トヨタは10年、5000万ドル(当時、約45億円)でテスラ株3.15%を取得し、資本・業務提携した。両社はテスラ製バッテリーを搭載したトヨタのSUV(スポーツ型多目的車)「RAV4」ベースのEVを開発。ただその後、共同開発が進むことはなく、14年にはテスラがバッテリー供給を打ち切り、トヨタは同年テスラ株の一部を売却したが、「協業の可能性は検討していく」としていた。

中国や欧米など主要市場で環境規制が一段と強まる中、自動車各社は、従来に比べて航続距離が伸びるなど性能が向上しつつあるEVを次世代エコカーの柱として位置づけており、開発競争が激化している。

(白木真紀 取材協力:田実直美)

2017年 6月 4日 9:24 AM JST