北が昏睡状態で解放した米学生、脳に大きな損傷 [2017年06月16日 10時21分]
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170616-OYT1T50073.html

 【ワシントン=大木聖馬】北朝鮮に拘束されていた米国人学生オットー・ワームビア氏(22)が
昏睡(こんすい)状態で解放された事件で、ワームビア氏を治療する米オハイオ州シンシナティの
病院の医師が15日、記者会見し、ワームビア氏が脳に大きな損傷を受けており、
「目は開くが反応はない」と容体を説明した。

 ワームビア氏の両親によると、北朝鮮はワームビア氏が昏睡状態に陥ったことについて、
ボツリヌス菌の毒素による中毒で体調を崩し、睡眠薬を服用後に昏睡状態になったと説明していた。
だが、医師は「ボツリヌス菌による中毒の症状は見られない」と指摘しており、
北朝鮮の説明は虚偽だった可能性が高い。

 ワームビア氏は13日にシンシナティに到着し、そのまま病院で治療を受けている。
医師によると、ワームビア氏は脳のあらゆる部分で組織が大きく損傷しており、
呼吸停止で脳に酸素が行き渡らなかった症状と合致するという。
激しい殴打の証拠となる頭蓋骨骨折などの形跡はなかった。