痴漢許さぬ バッジで意思 女子高生らデザイン
大阪の団体、公募図案を商品化
2017/6/19 15:16

 大阪府や和歌山県など関西各地の駅の売店などで今春、「痴漢拒絶!」「恥を知りなさい!」といった文字が書かれたバッジの販売が始まった。痴漢被害の防止に取り組む大阪市の団体が企画し、実際に痴漢に遭った女子高生らが考えたデザインを公募で選んだ。関係者は「安心な通学や通勤に一役買ってくれればうれしい」と話している。

 南海なんば駅(大阪市中央区)にあるコンビニエンスストア、アンスリーなんばガレリア店。「痴漢を抑止」と書かれた店頭販促(POP)の下に、カラフルなバッジが並ぶ。

 大阪府高石市の高校3年生、上田加奈さん(17)は「バッジを見て痴漢を思いとどまる人もいると思う。効果がありそう」。購入客は10〜20代前半が最も多く、母親らが代わりに買うケースも目立つという。

 バッジは一般社団法人「痴漢抑止活動センター」(大阪市)が商品化した。痴漢被害に遭った女子生徒が「私は泣き寝入りしません!」と書いたカードをかばんに付けて被害がやんだエピソードを参考にした。松永弥生代表理事(51)は「犯行を防ぐだけでなく、周囲の注意喚起を促す効果もある」と強調する。

 デザイナーから図案を公募し、2016年3月からインターネットで5種類を発売。痴漢被害が多い若い世代の視点を採り入れようと、同8〜9月には高校生と大学生を対象に改めて公募し、79点の応募作から5つを新商品に選んだ。今年3月から、1個410円で駅のコンビニなど約20店舗で売り出した。

http://www.nikkei.com/content/pic/20170619/96958A9E93819A91E1E29AE7888DE3EBE2E4E0E2E3E59391E3E2E2E2-DSXMZO1782928019062017AC1001-PB1-3.jpg