東京大学は、同大分子細胞生物学研究所(分生研)に所属する50歳代の男性教授が発表した複数の科学論文について、画像の改ざんなどが行われていたとして、研究不正と認定する方針を固めた。

 東大は、調査結果について教授側から反論がなければ、教授の処分の検討を行う。

 東大は今年3月、論文捏造などの不正を認定した分生研元教授ら4人に懲戒解雇相当、1人を諭旨解雇相当とする処分を発表している。
東大は同じ研究所で不正が続いた点を重視し、分生研の解体を含めた体制の見直しを協議している。

 関係者によると、東大に昨年、今回の不正の疑いについて告発があった。
学内で調査した結果、教授が中心となって2015年までに発表した染色体にかかわる論文で、顕微鏡画像の色や明るさを加工し、実験結果に差があるように見せかける改ざんなどが少なくとも3本の論文で判明したという。
調査に対し、教授は「分かりやすくした」と釈明しているという。教授は読売新聞の19日までの取材に応じていない。

http://sp.yomiuri.co.jp/science/20170620-OYT1T50009.html