名古屋市は26日、市営の観光施設や公園、地下鉄の駅などの公衆トイレを全て洋式化する方針を明らかにした。
まず観光施設を2020年東京五輪・パラリンピックまでに整備し、その後に公園やスポーツ施設などを完了させる。政令市では珍しい取り組みという。

市議会本会議で河村たかし市長が表明した。増加する外国人旅行者への対応と、高齢者や障害者の利便性向上が狙い。

市議会一般質問で斎藤高央市議(自民)が「名古屋が観光都市を目指すなら、おもてなしの環境を整備する必要がある」と質問した。
河村市長は「来年度予算にも計上してやらないかん。ショールームのようにきれいな洋式トイレを整備して、『世界で一番クールなトイレがある名古屋』を目指していく」と答弁した。

市などによると、名古屋城をはじめ主要観光施設や地下鉄の駅、公園などの公衆トイレ約3000基のうち半数が和式。
全てを洋式化した場合、10億〜20億円程度かかるとみられ、市は国の補助制度を活用して進めるという。民間の観光施設やホテル、飲食店などにも呼びかける方針。

公衆トイレに関しては「汚くて臭い」との苦情も多く、臭いを抑える効果がある床材への変更なども併せて検討していくという。

東京都は20年度までに、地下鉄の駅の9割、公立小中学校の8割のトイレを洋式化するなどの目標を掲げ、今年度当初予算に約38億円を計上している。
公民館や小中学校などでの洋式化は市区町村に補助金を出し、旅館や五輪会場周辺の民間鉄道の駅も対象とする。

大分県も県内約100カ所の公衆トイレの洋式化を進めるほか、観光客が利用するトイレを清潔度などに応じてランク付けし、認証シールを貼る「おもてなしトイレ認証制度」を導入している。【三上剛輝】

配信 2017年6月26日 11時53分(最終更新 6月26日 12時37分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170626/k00/00e/040/211000c