年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金など公的年金は国内の株価が横ばい圏にとどまった1−3月期に日本株を3466億円売り越したものの、3月末の保有残高では44兆6145億円と過去最高を更新した。

  日本銀行が27日公表した資金循環統計によると、公的年金の日本株売り越しは3四半期連続。外国証券も690億円と12四半期ぶりに売り越し、保有残高はドル安による円換算額の目減りもあって61兆7210億円にとどまった。

同統計の公的年金はGPIFや国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などからなる。

  1−3月期の公的年金の運用環境は、堅調な企業業績を受けた海外株価の上昇基調は続いたものの、米国では政策実行力への疑念を背景とした長期金利の低下とドル安が進行。円相場が反発する中で国内株価の上昇は止まった。GPIFは来月7日に1−3月期と昨年度の運用実績などを公表する。

  今回の統計で、公的年金は1−3月期に国債・財融債を3366億円買い越した。買い越しは15四半期ぶり。3月末の保有残高は49兆138億円と3四半期ぶりに増えた。デフレからの完全脱却を掲げる安倍晋三内閣の有識者会議が公的年金改革に関する報告書をまとめた13年末から減少基調にあった流れに一服感が出ている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-27/OS6N296S972M01