0001孤高の旅人 ★ 転載ダメ©2ch.net
2017/07/01(土) 06:00:31.29ID:CAP_USER92017年7月1日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170701/CK2017070102000088.html
◆東京地裁 浜松の社福法人訴訟
病院の不正疑惑を通報したことで職場で嫌がらせを受けたのは、監督する国が適切な調査と是正勧告をしなかったためだとして、浜松市の社会福祉法人の職員が百十万円の賠償を求めた東京地裁の訴訟は、国に適切な処理を促す内容で和解したことが分かった。
四月二十六日付の和解条項では、内部告発や厚生労働省などへの通報をした結果、「一定の是正、改善措置が取られた」と指摘。一方で、訴訟に発展したため「今後とも通報者の立場に配慮の上、適切に通報を処理することに努める」と国側に求めた。
訴状や準備書面によると職員は二〇一〇年、厚労省の東海北陸厚生局静岡事務所(静岡市)へ、医療費の不正請求などがあると通報。同事務所は、法人が経営する二病院を調査したが、その後職員は職場でのパソコン利用の制限などを受けたという。公益通報者保護法上、国側に報復的な不利益を極力避ける義務があったのに、「通報者の存在を告知して調査する基本的なミスを犯した」と訴えた。
これに対し国側は、適切に調査や是正指示をしたと主張。通報情報を漏えいしたことは否定した。
職員の代理人の光前幸一弁護士は「訴訟では、行政へ通報してもうまく機能していないことを世に問いたかった」と話し、国家賠償を求める訴訟では判決に至るケースが多いため、「和解は問題があったことが前提だ」と和解の意義を強調する。静岡事務所は「一切答えられない」とした。
◆守秘義務不備後絶たぬ報復
事業所や行政機関の不正を訴えた人を守る公益通報者保護法。二〇〇六年の施行から十年以上たつが、通報者が報復を受けたり、行政の対応に不備があったりした例は後を絶たず、消費者庁が制度拡充の検討や運用改善を進めている。
現行法には、不利益な扱いをした事業者への指導や処分といった行政措置は定められておらず、通報を受けた勤務先には行政機関と違って守秘義務がないなどの課題がある。
同庁は、実効性向上に向けた有識者検討会を一五年六月〜一六年十二月に開催。最終報告書では、不利益な扱いに対する保護・救済や、秘密保持の強化といった観点から、法改正に向けた具体的な検討を進めることを盛り込んだ。
また検討会の議論を受け、事業者と国の行政機関に向けたガイドラインを改正。通報が端緒だと分からないように秘密保持を徹底することや、報復を受けていないかの追跡調査や講じた措置を通報者に知らせることの強化などを求めた。
検討会の委員を務めた光前幸一弁護士は、新しいガイドラインを評価した上で、こう指摘する。「通報がきちんと処理されないと被害を受けることになり、通報者は犠牲を伴いがち。調査結果の報告や、内部通報者の存在を伏せるといった配慮が必要だ」