ファッションとしてのタトゥーが一般的になりつつあるが、その一方でタトゥーを消したいという人も多い。
タトゥー除去の施術を行う「高須クリニック横浜院」の草野太郎医師はこう話す。

「気軽にタトゥーを入れる人が増えたということもあるのでしょうが、タトゥーを消したいという患者さんは増加傾向にありますね。
大きな絵柄よりも、ワンポイントの絵柄を消すというケースが多いです。
特に新生活が始まる前の3月くらいの時期や、肌が露出する機会が多い夏に向けて、タトゥー除去の施術が増えますね」(草野医師、「」は以下同)

美容外科医や美容皮膚科医で行われるタトゥー除去は、レーザーを照射することで、皮膚の中にあるタトゥーの色素を粉砕するという方法が一般的。
しかし、従来のレーザーでは黒い色素は除去できても、そのほかの色は消せないことも少なくなかった。

そんななか登場した新たな技術が「ピコレーザー」というもの。
従来のレーザーでは難しかったカラフルなタトゥーの除去が可能となるだけでなく、皮膚へのダメージが少なく、治療期間も短いという。
「高須クリニック横浜院」ではそのピコレーザーのマシン「PicoWay」を導入している。

「レーザー治療の技術は、ここ数年なかなか新しいものが出てきていなかったんですが、ピコレーザーはそんななか登場したかなり画期的なものだといえます。
ちなみに、ピコレーザー治療機は、従来のレーザー治療機の5倍くらいの値段がします。3000万円くらいですかね」

具体的にはどんな特徴があるのだろうか?

「黒い色素だけではなく、茶色や赤、青、紫など、様々な色素を除去することが可能です。
そして、肌に照射する時間が格段に短くなっています。
その周期は、“ナノ秒”よりさらに小さい“ピコ秒”(1兆分の1秒)。だから『ピコレーザー』なんです。

そして、レーザーをあてる時間が短いので、やけどをしにくい、さらに、その分、強いレーザーを照射できるので、効果が高い。
つまり、ピコレーザーは、肌に対する負担は少ないのに、タトゥー除去の効果が高いのです。

また、ピコレーザーでは、色素を従来よりも細かく砕くことが可能です。
砕かれた色素は新陳代謝によって体外に排出されるのですが、粒子か細かいので、より排出されやすくなります。
したがって、色が消えるまでの時間も短縮されます」

施術の際は、局部麻酔を使うので、大きな痛みは感じない。
施術後は、軽いやけどのような状態になるが、絆創膏などを貼っておけば、日常生活に支障をきたすようなことはほとんどないとのこと。

「もちろん施術直後に海に入ったり、日焼けをしたりするのはNGですが、それ以外はちょっとしたやけどや擦り傷くらいだと思っていただいて大丈夫です。
従来のレーザー治療よりも治りも早いので、比較的短期間で2回目の施術をすることもできます」

ちなみに、施術の料金は除去する図柄の大きさで決まり、1cm×1cmで1万円。
線状のタトゥーの場合は1cmで1万円となっている。これは従来のレーザー施術と同じ価格だ。

そこで今回、編集部スタッフの一人が実際にそのタトゥー除去の施術にチャレンジしてみることにした。
施術されるのは、46歳の男性スタッフ「T」。
20代の頃に入れたという、胸の部分にあるハイビスカス柄のワンポイントタトゥーと、お腹周りに入った2センチ角の黒い文字のタトゥー9文字を除去する。

最初に消すのは、胸のハイビスカス。
麻酔を打ち、すぐさま黒い墨で描かれたハイビスカス柄の縁取りの部分(いわゆるスジ彫り)からピコレーザーをあてていく。
レーザーが照射されるたびに「バチッ! バチッ!」と大きな音が発せられるが、Tはケロッとした表情。

■写真
Before:従来は消すのが難しかった淡い色のタトゥー
http://i.imgur.com/LucKZTM.png
最新のタトゥー除去を体験中
http://i.imgur.com/LBkRIwg.jpg
After:施術10分後くらいで軽いやけどのような状態。炎症を抑える薬を塗布
http://i.imgur.com/qiCk5NH.png

http://www.news-postseven.com/archives/20170703_573783.html
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※続きます