政治家や企業が不動産鑑定に不当な圧力を掛け、評価をつり上げたり引き下げたりする――。
「依頼者プレッシャー」と呼ばれる問題が深刻化しているとして、国土交通省が対策に動き出した。
不当な要求をされた不動産鑑定士は仕事を拒むよう、明文で規定する方針だ。

不動産鑑定評価は、地形や用途、時代によって上下する不動産の価値を、専門的な見地から適正に評価する制度。
国家資格を持つ不動産鑑定士が担っているが、国土交通省はここ20年間で14件、不動産鑑定士を懲戒処分しており、少なくとも8件は不動産の価値を過大・過小に評価したことが理由とされた。
例えば2015年9月のケースでは、開発・造成の難しい林地について、超高層マンションを建てる前提で土地価格を計算していた。

別の理由で処分された事案の中にも、斜面が含まれているのに平地として評価したり、議員関係者の土地を相場の10倍にあたる1億3千万円以上と鑑定して自治体側に買わせたりしていたケースがあった。
国交省が公認会計士や税理士らに行ったアンケートでは、65%が「依頼者に都合の良い鑑定評価額となっている可能性も否定できない」と回答した。

鑑定がゆがめば、自治体が高値で公共用地を買わされたり、企業の資産価値が過大に評価されて経営実態が隠されたりしかねない。
こうした負の連鎖を防ぎ、鑑定制度の信頼性を保つため、国交省は関連規定の中に「不当な鑑定評価を依頼された場合に、当該依頼を受託してはならない」と明示することにした。

法律や基準などのどこに盛り込むかは、有識者や業界関係者の意見を踏まえて検討する。
日本不動産鑑定士協会連合会は「明文化により、不当圧力を断りやすくなる」と歓迎している。(赤井陽介)

配信 2017年7月5日05時08分
朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK6X51TMK6XUTIL034.html

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