記録的豪雨から一夜明けた6日、大肥(おおひ)川が氾濫(はんらん)した大分県日田市。
川の近くに住む一人暮らしの坂本アイコさん(84)は周囲が冠水し、自宅に取り残されていたところ、6日午前1時半ごろ消防関係者に救出された。

 「停電で電話もつながらず、2階でじっとしていた。『誰かいますか』という消防の呼びかけと、明かりが見え、2階から夢中でペンライトを回した」。
押し寄せた泥で玄関が開かず、1階の窓から助け出された。「死ぬかと思った。こんな目にあうのは初めて」と疲れた表情で話した。

 福岡県朝倉市の指定避難所となっている市立南陵中学校には午前7時半すぎ、自衛隊のトラックが到着。
300人余が孤立したとされる市南部の蜷城(ひなしろ)地区から救助された男女5人と乳児が体育館に入った。
6日午前8時ごろに助け出された無職男性(67)は「ようやくホッとした」。生後1カ月の乳児を抱えた女性(29)は「ずっと雨が降っていて、雷がすごかった」と話した。

県立朝倉光陽高校では、避難してきた多くの住民らが、会議室や廊下、体育館で眠れぬ一夜を明かした。

 水が引いた周囲の国道は泥が30〜40センチほど積もり、午前8時ごろから現地に派遣された自衛隊員らが重機で泥をかき出したり、車をロープで引き揚げたりしていた。
車が動かせないため、引き続き学校にとどまっている住民がいるほか、夜が明けてから新たに避難してくる人もいた。

 学校は昨晩、炊きだしでおにぎりをつくって配った。職員の一人は「本来、避難所ではないが、食料や着替えなどを用意して渡した。みんな寝ずに対応し、疲れている」と話した。

 朝倉市役所にある災害対策本部では、警察や消防、自衛隊の担当者ら約30人が集まり、被害状況を書き込んだ地図を見ながら、救助の指示にあたった。
午前9時前の段階で、救助要請は70件を超えていた。

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