台湾から関西国際空港に向かっていた格安航空会社(LCC)「バニラ・エア」の機内にあるトイレ2カ所で9日、金塊数十キロが見つかったことが捜査関係者などへの取材で分かった。
密輸グループが台湾から国内に持ち込もうとした可能性もあり、大阪税関などが経緯を調べる。

捜査関係者などによると、金塊が見つかったのは9日早朝に台北を出発し、午前8時半過ぎに関空に到着した便。
飛行中に機内を見回っていた乗務員が、機内後方のトイレ内に不審な布袋が隠されているのを見つけたという。

関空に到着後、同社から連絡を受けた大阪府警や大阪税関が布袋の中身を調べると、金塊のようなものが大量に入っていた。
後方のもう1カ所のトイレからも同様に布袋が見つかり、いずれの中身も金塊であることが確認されたという。

同機は奄美空港(鹿児島県)に向け、午前10時前に関空を離陸する予定だったが、機内の調査などで約4時間、出発が遅れた。
同社の担当者は、金塊とは明らかにしていないが「不審物が見つかった。監視を強化していきたい」とコメントした。

■利ざや狙い 密輸相次ぐ

海外から日本に金塊を密輸する事件が相次いでいる。日本で売りさばき、消費税分の利ざやを稼ぐのが目的とみられる。関西国際空港でも近年、多くの密輸が摘発されている。
小型船を使い佐賀県唐津市の港に金塊約206キロ(約9億3千万円相当)を密輸したとして6月初め、日本人船長や中国人ら8人が逮捕された。

関空では4月、マレーシア人10人が100キロ超(5億円以上相当)の金塊を密輸しようとして大阪税関が摘発。
平成27年には、香港から金塊計130キロ(約6億円相当)が密輸された事件も発覚している。

配信 2017.7.10 05:00更新
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/170710/wst1707100014-n1.html