行方不明になった認知症の高齢者の捜し方を学ぶ「徘徊(はいかい)声かけ訓練」が8日、下関市横野町であり、地域住民ら約80人が参加した。地域ぐるみで高齢者を見守ろうと、横野町自治会が3年前から毎年開催。地元企業が商品化した全地球測位システム(GPS)による見守りサービスを利用した訓練にも取り組んだ。

 参加者は、認知症患者に声を掛ける際の注意事項などを学んでから実践に臨んだ。4、5人の班に分かれて行方不明者役を捜し、本人確認のうえ通報する一連の動きを訓練した。見守り対象にGPS端末を装着してもらい、位置を特定するサービス「見守っちょる」を利用した班は、スマートフォンで専用サイトに示される情報を確認しながら徘徊者を見つけ出した。

 訓練後の報告会では「声を掛けた後、会話を続けるのが難しい」「訓練だから声を掛けることができたが、実際の場面では認知症かどうか判別がつかない」などの意見が上がった。また、GPSサービスについては、捜索エリアを限定でき、早期発見につながるという評価の一方で「自分の位置情報は表示されず、徘徊者の位置が表示されるだけなので、土地勘が無いと捜すのは難しい」などの声が出た。

https://mainichi.jp/articles/20170710/ddl/k35/040/271000c