17年の半導体製造装置市場、「ITバブル」期超えへ
2017/7/12 16:01
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ12HL6_S7A710C1000000/

 半導体製造装置の業界団体SEMI(米カリフォルニア州)は、2017年の世界の半導体製造装置市場が過去最高になる見通しだと発表した。「ITバブル」期の00年に記録した水準を初めて上回ることになる。18年は17年をさらに上回る見込み。半導体の旺盛な需要を受けて装置業界は活況が続きそうだ。
 17年は半導体製造装置の世界販売額が前年比19.8%増の494億ドルになると予測する。これまでの最高額だった477億ドルを17年ぶりに更新する。18年も7.7%拡大して532億ドルに達すると見込む。
 地域別では17年に初めて韓国が最大市場になる。サムスン電子とSKハイニックスのメモリー大手がけん引し、韓国の市場規模は前年比7割増の130億ドルまで拡大する。スマートフォン(スマホ)やデータセンターの記憶装置として使うフラッシュメモリーの需要が拡大する中、メモリー各社は素子を縦方向に積み上げる3次元化に向けた設備投資を増やしている。韓国市場は18年も3%拡大する見通し。
 16年まで5年連続で首位だった台湾は17年は前年比4%増の127億ドルで2位となる。中国は17年は68億ドルで3位だが、18年に110億ドルまで急拡大し、台湾を抜いて2位に割って入るとSEMIは予測する。半導体の国内製造比率を高めることを狙う中国政府の後押しで設備投資が本格化しそうだ。
 00年代に首位の常連だった日本は市場の10%程度となる50億ドル強で推移する見通し。東芝の四日市工場(三重県四日市市)が気を吐くが、半導体製造装置の市場としての存在感は薄い。一方、国内の半導体製造装置メーカーは強気だ。日本半導体製造装置協会(SEAJ)が7月に公表した予測では、日本製半導体製造装置の世界での販売額が17年度(17年4月〜18年3月)は前年度比11%増の1兆7363億円になる見通し。18〜19年度も年率3〜5%のペースで拡大すると見込む。
(竹居智久)