富山市の大手工作機械メーカー「不二越」の会長が、今月5日の記者会見で、「富山で生まれた人は極力採らない」などと発言していたことがわかり、富山労働局は出身地で採用を決めることは公正な採用選考が損なわれるおそれがあり不適切だとして、各企業に出身地で区別しないよう注意を呼びかけています。
不二越の本間博夫会長は、5日に富山市で開いた記者会見で、本社機能を東京に一本化すると発表し、今後はロボット事業に力を入れ、ソフトウエアに詳しい人材を全国や世界から広く採用したいと述べました。

そのうえで、採用について、「富山で生まれた人は極力採らない」「富山で生まれた人は優秀な人が多いが、閉鎖的な考え方が強い」などと発言していました。
この発言に関連して、富山労働局は本人に責任のない出身地が採用で考慮されることは就職差別につながり、憲法で保障された職業選択の自由が損なわれるおそれがあるとして、本間会長の発言は不適切だと指摘しています。

富山労働局職業安定課の朴木浩地方職業安定監察官は「企業側が出身地を把握することは差別につながりかねない。
今後も各企業に広く注意喚起するとともに、就職活動で困ったことがあれば相談してほしい」と話していました。

NHKの取材に対し、不二越経営企画部は、およそ3400人いる従業員のうち8割近くが富山県出身者だと説明したうえで、「生産拠点が富山に集積しているため富山県出身者から多くの応募があるが、さらに広く全国から募集して、分け隔てなく人物本位で採用していく」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170714/k10011058721000.html