※続きです

■ 高齢者の万引きが社会問題に……

斉藤氏によれば、たとえ被害額が数百円の万引きであれ、常習累犯窃盗で裁判を受けて刑務所に入ると、刑事手続きにかかる人件費も含めて、2〜3年で2000万円以上の税金が使われることになる。

クレプトマニア患者が受刑しても、治療せずに再犯を繰り返せば社会的損失は甚大だ。
そこに使われるのは、紛れもなく我々の納める税金である。
 
2025年には、日本の人口の20%が後期高齢者となる。
高齢者の万引きは大きな社会問題になることが予想される。

「逆説的ですが、依存症の人は他人に頼るのが下手です。
依存できる相手、つまり相談できる仲間や複数のつながりを持つ人は、依存症に陥りにくい。
クレプトマニアも同じことが言えるでしょう」(同)

「万引きは許されない」と観念論をふりかざすだけでは、この問題は解決できない。
医療モデルと司法モデルが連携して対応策を考え、全国に受け皿をつくる必要がありそうだ。

※以上です