収納データ不正書き換え 甲良町税延滞金問題
2017年7月14日
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20170714/CK2017071402000037.html

 甲良町が七年前、町民から徴収した固定資産税滞納の延滞金の一部を返還した問題で、北川豊昭町長と町幹部が返還を「政治判断」し、金額の帳尻を合わせるために担当職員が収納データを不正に書き換えたとみられる交渉記録があることが分かった。記録を本紙が入手し、判明した。
 町のこれまでの説明によると、二〇一〇年二月、町内の男性が固定資産税と延滞金約三十万円を含む約百五十万円を差し押さえられた。男性から「これまで延滞金を請求されることはなかった」と抗議を受け、町は一〇年四月、延滞金のうち約十七万円を返還した。
 本紙が入手したのは町と男性の交渉内容や町の対応を示した記録。男性に催告書を発送した〇九年十一月十九日から一三年十月二十一日までの内容で、一〇年三月〜一三年九月の記述はなかった。
 このうち一三年の記録では、十月十八日に担当職員が一部返還の事実を把握。返還理由は「当時の税務課長と町長の政治判断」と説明。一部返還を受けて同二十一日、延滞金がデータ上に「滞納」と明細書に表示されないようにするため、〇六〜〇九年の延滞金を収納額と同額に変更し、金額も記している。
 北川町長はこれまで一部返還について「内部で協議し、私が最終決断した」と説明し、地方税法に基づく判断ではなかったことを認めている。町幹部も、一部返還の対象期間を明らかにしている。
 延滞金の返還問題を巡っては、町監査委員が五月中旬から臨時監査をした。関係者によると、本紙が入手した「政治判断」などを記した文書の存在を確認していないといい、監査委員が今後、調査を進めるとみられる。