>>260
それからもう一点,
日本獣医師政治連盟として,今まで新しい獣医師養成大学・学部の設置については反対をしてまいりましたが,
本件について最終的に先日閣議決定がなされました.
骨太方針あるいは成長戦略という言葉をニュース等々で皆さまも目にされたと思います.
その中に,本当に小さく獣医師養成大学・学部の新設に関する検討という項目が出てまいります.
その部分を読ませていただきますと,「現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化し,ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における需要が明確になり,
かつ,既存の大学,学部では対応が困難な場合には近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ,全国的見地から本年度内に検討を行う」という文言が出てまいります.

3 つの条件が付いています.
つまり,新しい大学を作りたいところが既存の獣医師養成機関でないという構想が具体化すること,
次に,獣医師が新たに対応すべき分野の需要の要請があるということが2 つ目,
かつ,16獣医学系大学においてそれに対応できない場合ということが3 つ目の条件となりますが,

この獣医師養成の大学・学部の新設の可能性はこの3 つの条件によりほとんどゼロです.

16 獣医学系大学で対応できない獣医師はいない訳ですから,現存の獣医学系大学でこれらができるということは当然です.

石破担当大臣 と相談をした結果,最終的に,

 「既存の大学・学部で対応が困難な場合」 という文言を入れていただきました.

ただし,今後もこの問題は尾を引いてくると思います.
つまり,日本の最高権力者である内閣総理大臣が作れと言えばできてしまう仕組みになっておりますので,こういう文言を無視して作ることは可能です.

内閣がもしこれを行うのであれば私たちは現在の内閣に対して 敵 に回らざるを得ないのですが,

獣医師会としては抵抗勢力にはなりたくない,

抵抗勢力としてマスメディア等々で取り上げられ,獣医師会は抵抗勢力である,訳の分からないことを言っている団体だということになりますと,

 世論の風当たり は強いものになります.

日本獣医師政治連盟といたしましては,先ほど申し上げました3 つの条件は,現存の16 獣医学系大学においてきちんとした教育をすることが重要であり,
1 にも2 にもまず16 獣医学系大学が今回の答申に対するコメントをするべきであるということがわれわれの見解です.
そして,16 大学から日本獣医師会,日本獣医師政治連盟に対する協力要請があって初めて,この日本獣医師会,日本獣医師政治連盟による具体的な検討・対応を行うことが本筋であると考えております.
最終的には,今回の獣医師養成大学・学部の新設については,どこを読んでもこれを覆すような状況は一つも見当たらない,
つまり,新しい獣医学系大学・学部の設置はできないということが今回の骨太方針,成長戦略の文言に書いてあると考えております.
これをクリアする新たな獣医師の資格を作るのであれば別だと思われますが,

現状では設置できないということが日本獣医師政治連盟としての見解です.

繰り返しになりますが,

日本の 最高責任者が もし 失言する ようなことがあれば,

できないことはない ということはわれわれも腹にすえておかなければならないということだけ,ご報告をさせていただきます.

少々長くなりましたが失礼いたします.