医師免許なしで健康状態の診断をしたなどとして、愛媛や茨城など4府県警の合同捜査本部は18日、医師法違反(無資格医業)や医薬品医療機器法違反などの疑いで、松山市の「ホリスティック予防医学研究所」理事長の杉喬夫(たかお)容疑者(70)=同市小栗7丁目=ら2人を逮捕し、発表した。

 愛媛県警によると、杉容疑者は2015〜16年に東京都内のホテルなどで、医師免許がないのに、愛媛県内の女性ら計7人に病歴などを書面に記入させたうえで、患者に採血させた血液を顕微鏡で検査し、健康状態を診断した疑いがある。さらに無許可で12種類のサプリメントを、効能などをうたった医薬品として、約55万円で販売した疑いもある。

 杉容疑者は採血の際に医学博士を名乗り、血液検査では「赤血球が貧弱。胆のうか膵臓(すいぞう)が弱っている」「赤血球にとげがある。腸が弱っている」などと患者に伝え、サプリメントの購入を勧めていたという。

 また、杉容疑者が代表取締役を務めていた健康食品販売会社「アムスジャパン」高知支店責任者の今井俊介容疑者(36)=高知県日高村=は、杉容疑者と共謀し、無許可で医薬品を販売したとして、医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕された。

 杉容疑者は医師法違反の容疑は認め、医薬品販売は「許可が必要だと知らなかった」と、一部否認しているという。

 愛媛県警は関連資料を精査し、杉容疑者らが14〜16年ごろ、全国の約500人にサプリメントを医薬品として販売し、約1億2千万円の売り上げがあったと確認したとしている。県警などは昨年11月、研究所など複数の関係先を家宅捜索していた。
http://www.asahi.com/articles/ASK7L3QM4K7LPFIB00H.html
容疑者の予防医学研究所
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170718001988_comm.jpg