TOKYO MX 2017年7月27日 18時30分

小笠原の空港開設へ一歩前進です。東京都と東京・小笠原村は、父島北部の洲崎地区に滑走路の設置を検討していくことを決めました。

現在、小笠原と都心を結ぶ交通手段は週に1往復、片道24時間かかるフェリーだけです。小笠原で救急患者が出たときには飛行艇を手配する必要があるなど、医療面の問題などから、村は都に空港開設を求めてきました。

都庁で27日、7年ぶりに東京都と小笠原村の代表が集まり、空路開設を検討する協議会を開きました。この中で小笠原村の森下村長は「課題は多くあるが、何としても航空路を開設したい」と発言しました。
小笠原の新たな交通手段についてはこれまで、超高速船の開発や別の場所への空港開設が検討されましたが、費用の問題から実現には至っていません。

都が示した新たな案は、世界自然遺産の区域に入っていない父島の洲崎地区に1200メートルの滑走路を設けるものです。完成すると、定員50人程度のプロペラ機であれば都心と片道およそ2時間半で結ばれるようになります。
一方で、自然環境に与える影響がどの程度か、検証すべき課題は残っています。森下村長は「今までは本当にできるのかなという話だったが、小笠原の航空路の検討の姿勢を打ち出せたことは評価したい」と述べました。

小笠原村は2018年夏の返還50周年の式典で空港開設の表明をしてもらえるよう、都に働き掛けていく方針です。

http://s.mxtv.jp/mxnews/kiji.php?date=46512013