http://www.afpbb.com/articles/-/3137411?act=all

【7月28日 時事通信社】ロシアは28日、米上院が27日に対ロシア制裁強化法案を可決したことに対する報復措置として、9月1日までに在ロシアの米外交要員を削減するよう米側に要求した。米国務省当局者によると、テフト駐ロ大使が強い失望と抗議の意思を表明した。同法案については、ロシアとの関係改善を模索するトランプ大統領が拒否権を行使しても、法案を圧倒的多数で可決した議会が覆し、成立する可能性が高い。米ロ関係の悪化は不可避の情勢だ。

 ロシア外務省はロシア内の外交要員を455人まで削減するよう要求すると発表。ロシア通信は米側が200〜300人の削減を余儀なくされると報じた。モスクワにある米政府施設も8月1日に閉鎖する。ロシアは昨年末にこれらの措置を取る用意をしていたが、トランプ政権との関係改善を期待して実行を見送っていた。外務省はさらなる追加措置を示唆しており、対決姿勢を強めている。

 一方、米議会はトランプ氏が対ロ制裁緩和に動くのを危惧し、法案で大統領が制裁緩和や解除を決める際に議会審査を義務付けた。オバマ前政権はロシア政府による米大統領選介入疑惑への報復として、昨年末に米国内のロシア政府施設を閉鎖。トランプ政権は施設の返還を検討しているとされ、法案はこうした動きを封じる狙いがある。

 ロシア疑惑はトランプ氏の側近にも及び、議会は娘婿クシュナー大統領上級顧問らを聴取するなど厳しい追及を続けている。政権は「大統領の権限を侵害する」と法案に反発するが、トランプ氏が拒否権を行使しても憲法の規定に基づき議会が3分の2の賛成で覆すのは避けられない情勢だ。(c)時事通信社

2017/07/28 23:02(ロシア)