日本政府が、イスラエル、パレスチナ自治政府、ヨルダンの首脳を年内にも日本に招き、4者による首脳会談を検討していることが明らかになった。この3カ国・地域と良好な関係にある日本が仲介し、パレスチナ経済支援を通じて中東和平に向けた信頼醸成を促す狙い。だが、エルサレムの聖地をめぐる対立激化を受け、実現するかは不透明だ。

 複数の政府関係者が明らかにした。4者の枠組みは当時の小泉純一郎首相が2006年7月に打ち出した、ヨルダン渓谷の開発などを通じてパレスチナの経済的自立を支援する「平和と繁栄の回廊」構想の一環。第1次安倍政権下の07年3月、当時の麻生太郎外相とイスラエル副首相、パレスチナ解放機構交渉局長、ヨルダン国王特別顧問が東京で発足会合を開き、その後も協議を重ねてきた。構想を踏まえ、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区エリコで農産加工団地が整備され、入居企業が生産も始めている。

 こうした実績を背景に、政府は4者の首脳会談を日本で開催し、中東和平を後押しする姿勢を国際社会にアピールしたい考え。昨年9月にはパレスチナ自治区で構想の閣僚級会合を開催。イスラエルとパレスチナ双方の閣僚級が出席し、直接交渉に応じた。

 イスラエルとパレスチナの中東…

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