千葉県印西市の老人ホームで相次いだ睡眠導入剤混入事件で、殺人容疑などで再逮捕されたホームの准看護師、
波田野愛子容疑者(71)が、2月に交通事故死した職員の山岡恵子さん(当時60歳)への導入剤混入以降、
他の同僚にも同様の行為を繰り返すようになったとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。
山岡さんとの間で業務上の意見対立やトラブルがあったといい、同県警が混入のきっかけなど詳しい経緯を調べている。

 捜査関係者によると、ホームでは山岡さんの他に職員の男女5人が導入剤の混入が疑われる症状を訴えていたが、
いずれも今春以降。山岡さんの死亡以前に、めまいや眠気など導入剤を飲んだことによる不調を訴えた職員はいないという。

 山岡さんは2月5日、眠気などを訴えて早退。車で帰宅しようとしたがホーム近くで物損事故を起こし、
いったんホームに戻り仮眠した。ホームにいた波田野容疑者は山岡さんを起こし、見送りもしていたという。
山岡さんはホームから1キロほど離れた県道で対向車と衝突し、死亡した。

 県警は、山岡さんが再び事故を起こす危険性があると知りながら運転を制止する言動がなかったことから、
未必の殺意があったと判断し再逮捕した。
【斎藤文太郎、秋丸生帆】

https://mainichi.jp/articles/20170802/k00/00e/040/247000c?inb=fa