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ロシア疑惑で大陪審 特別検察官が招集
米メディア報道
2017/8/4 10:30 (8/4 12:27 更新)
国際
 【ワシントン=川合智之】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などは3日、トランプ大統領周辺とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」を捜査するモラー特別検察官が、首都ワシントンで大陪審を招集したと報じた。大陪審はトランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏らがロシア人弁護士と面会した問題を巡って召喚状を出した。召喚対象は明らかになっていない。


トランプ米大統領(右)と長男のジュニア氏(16年9月)=ロイター
 大陪審は米国に特徴的な司法制度の一つで、一般市民から選ばれた陪審員で構成される。資料提出などを求める召喚状の発送や、証人に証言を要請するなどの権限を持つ。米国の司法に詳しい専門家によると「大陪審の招集はモラー氏の捜査権限が強まることを意味する」と指摘し、ロシアゲートの捜査が一歩前進したとの見方を示した。

 ロシア疑惑ではフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の調査の一環として、首都ワシントンの隣のバージニア州でも大陪審が設置されている。

 ジュニア氏が昨年6月、民主党候補クリントン元国務長官に不利な情報を提供するとしたロシア人弁護士と面会した件をモラー氏が調査対象としていることはすでに報じられていた。調査はまだ数カ月かかる見通しで、具体的な容疑に問われるかどうかは不明だ。モラー氏はトランプ氏や家族のロシアに関する取引記録についても調査しているという。

 ホワイトハウスは3日声明を出し、大陪審招集については把握していないとしたうえで「モラー氏に全面協力する」と述べた。また「コミー前米連邦捜査局(FBI)長官は大統領が捜査対象でないと3回も述べており、それが変わったと信じる理由はない」とも指摘した。