http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170805/k10011089001000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_018

出産中の女性が死亡した事例などを検証して防止策を検討する日本産婦人科医会のことしの提言がまとまり、麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」の事故が初めて取り上げられ、麻酔による合併症などに適切に対応できる体制を整えて実施すべきだとする見解を示しました。

全国の産婦人科の医師でつくる日本産婦人科医会は、全国で起きた出産前後の女性が死亡した事例を検証し、毎年、防止策を提言していて、5日、大阪・吹田市で会合を開いてことしの提言をまとめました。

この中で、「無痛分べん」による出産で妊婦に麻酔したところ、中毒症状と見られるけいれんが起き、急きょ、帝王切開を行いましたが、呼吸困難になって死亡した事例を取り上げました。

そして、無痛分べんは麻酔による中毒症状や麻酔が全身に効いて呼吸が止まってしまうなどの合併症が起きると命に関わる事態になることから、実施する際には麻酔による合併症などに適切に対応できる体制を整えるべきだとする提言を初めて盛り込みました。

また、無痛分べんの場合、陣痛を促す薬の投与や、赤ちゃんを器具で引っ張る措置の過程で、妊婦の出血量が増える危険性もあり、素早く適切に対応する体制も求めています。

日本産婦人科医会の石渡勇常務理事は「無痛分べんは、通常の分べんとは異なる安全管理が求められ、認識を新たにして体制を整えてもらいたい」と話しています。この提言は冊子にして今月にも医療機関向けに配布されることになっています。

8月5日 19時35分