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台風5号は、四国と近畿、それに東海の一部を暴風域に巻き込みながら北東へ進んでいて、このあと近畿にかなり接近し、その後、上陸するおそれがあります。近畿や四国、東海を中心に局地的に猛烈な雨が降って大雨となるおそれがあり、土砂災害や川の急な増水、暴風などに警戒し、早めの避難などの対策を進めてください。

気象庁の発表によりますと、台風5号は、午後2時には徳島市の南南東40キロの海上を1時間に20キロの速さで北東へ進んでいると見られます。

中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心から半径90キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

この時間は高知県と徳島県、香川県、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県、三重県が台風の暴風域に入っています。

これから特に警戒が必要なのが大雨による土砂災害や川の急な増水、低い土地の浸水です。

近畿や四国、東海などには台風の発達した雨雲が次々と流れ込み、雨が強まっています。
最新の雨の状況です。午後1時半までの1時間には、愛媛県の四国中央市富郷で58ミリ、三重県紀北町で50.5ミリの非常に激しい雨が降ったほか、静岡市井川で45ミリの激しい雨が降りました。


これまでの雨で、徳島県と愛媛県では、土砂災害の危険性が非常に高まり自治体が避難勧告を出す目安とされる「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。発表されているのは、徳島県の美馬市と吉野川市、阿波市、上勝町、神山町、那賀町、海陽町、つるぎ町、それに愛媛県の四国中央市と西条市、新居浜市です。

台風はこのあとも北東へ進む見込みで、近畿にかなり接近し、その後、上陸するおそれがあります。このため、近畿の太平洋側と四国では7日夜遅くにかけて、東海では8日明け方にかけて断続的に雷や突風を伴い、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、局地的には1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあります。また、関東甲信や北陸でも7日夜以降、局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。

8日昼までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで、和歌山県と奈良県、三重県、静岡県で400ミリ、兵庫県と京都府、愛知県、岐阜県、山梨県、それに北陸で300ミリ、関東北部と長野県、滋賀県で250ミリ、愛媛県と徳島県、大阪府で200ミリ、中国地方と東北で150ミリと予想されています。

さらに8日は東北などでも雨が強まるおそれがあり、8日昼から9日の昼までにはいずれも多いところで、関東甲信と北陸、東北で200ミリから300ミリの雨が降ると予想されています。

台風の動きが比較的遅く、雨雲が長時間かかり続けるおそれがあることなどから、ところによって平年の8月1か月の雨量を上回る大雨になると予想されています。すでに大雨となっている地域や今後、大雨が予想される地域では自治体が出す情報などを基に、早めの避難などの対策を進めてください。特に、お年寄りなど避難に時間がかかる人や山沿いや川沿いに住む人などは、雨や風が強まって状況が悪化する前に速く安全な場所に避難してください。
また、大雨のたびに田んぼや用水路に流され、亡くなる人が後を絶ちません。様子を見に行かず絶対に近づかないようにしてください。

台風の接近に伴い、暴風や高波に警戒が必要です。午後1時半ごろには、和歌山県日高川町で27.5メートル、午後0時20分ごろには、徳島県阿南市蒲生田で30.5メートル、和歌山県の南紀白浜空港で29.3メートルの最大瞬間風速を観測しました。

8日にかけて西日本や東海を中心に非常に強い風が吹く見込みで、最大風速は四国で30メートル、近畿で28メートル、東海で25メートル、中国地方と北陸で23メートルと予想され、最大瞬間風速は、四国で45メートル、近畿で40メートル、東海と北陸、中国地方、伊豆諸島で30メートルから35メートルに達する見込みです。

また、近畿と四国、それに東海の海上では8日にかけて波の高さが7メートルから8メートルの大しけが続く見込みです。

今後の台風の予想進路にあたる地域では、自分が住んでいる場所で、土砂災害や河川の氾濫など、どのような災害が起きやすいかを確認したり、避難場所の位置を防災マップで確認したりするなど備えを進めてください。

8月7日 14時02分