“顔写真付き”生活保護確認カード 「プライバシー侵害」と反発
08/08 19:53

大阪市が試験的に導入している生活保護受給者の「確認カード」。
このカードには「顔写真」と「番号」が載せられていますが、名前は書かれておらず身分証明には使えません。
受給者側からは、いたずらにプライバシーを侵害するものだと反発の声が上がっています。

大阪市浪速区で生活保護を受給している男性(73)は「医療券の発行がスムーズになる」
と説明を受け3年前に「確認カード」を作りました。

「顔写真と番号だけで名前が入ってないということで、刑務所に入ったような違和感を感じた」
(生活保護受給者の男性)

この確認カードは4年前から試験的に導入され、大阪市の浪速区、東住吉区、福島区、
港区でこれまで累計5869枚が発行されました。その目的について市はこう説明します。

「保護費を受け取りに来たですとか、病院に行かないといけないということで医療券を発行する際、
窓口で本人確認するものとして使っています」(大阪市福祉局 石谷知之課長代理)

しかし、カードを発行を受けた男性はこれまで一度も提示を求められたこともなく、
カードは全く意味のないものだと話します。

「これ落とした場合どうするのか、『この人、生活保護を受給しとんのや』と、わかりますわね。
嫌がる方もかなりおられますから」(生活保護受給者の男性)

作成は「任意」だというこのカード。しかし生活保護受給者の支援団体のもとには
「受給決定前に写真を撮られた」などの相談が相次いでいて、団体は8日
「このようなカードを作っているのは全国で大阪市だけで人権侵害だ」とカードの廃止を求めました。

「撮影した写真の予備をケース記録のファイルに保管している。仮にそれを不正受給の尾行とか
張り込みに使っていると問題」(生活保護問題対策全国会議 小久保哲郎弁護士)

これに対し大阪市は「カードについて丁寧に説明し、理解を求めたい」としています。

MBS NEWS
http://www.mbs.jp/news/kansai/20170808/00000065.shtml