ミンチ機で手重傷 可児の会社、書類送検
2017年8月11日 00時25分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017081190002542.html

 岐阜県可児市の食品会社で今年4月、ひき肉を作るミンチ機の清掃をしていた派遣社員の女性(47)=同市=が左手を巻き込まれ、重傷を負う事故があった。多治見労働基準監督署によると、電源の切り忘れが原因だったが、修理で交換されたスイッチに問題があり、接触しただけで起動しかねない法令違反の「突出型」だったことが判明した。
 同市広見の「ネオプライムヒグチ」で、女性は精肉後の清掃時にスクリュー状の刃を本体から外そうと手を差し込んだ際、体の一部が起動スイッチを押した。左手首から先を切断せざるを得ない大けがだった。
 労基署によると、起動スイッチは本体に埋め込むなど安全確保が必要だが、同社にある5台のうち事故の起きた1台だけ本体から飛び出した形の突出型が付き、逆に停止スイッチが押しにくい状態になっていた。
 数年前に愛知県一宮市の業者に修理を依頼した際に交換され、ヒグチ社は危険性を認識していなかった。業者はたまたま手元にあった部品を使ったという。
 法令は機械を使用する事業者のみが対象で、労基署は10日、ヒグチ社と同社長(52)を労働安全衛生法違反容疑で書類送検した。同様の事故は全国各地で数件起きており、労基署側は注意を呼び掛けている。