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[シドニー 16日 ロイター] - 豪連邦統計局が16日発表した第2・四半期の賃金価格指数(賞与除く時給ベース)は季節調整済みの前年比で1.9%と、前の期に続いて過去最低となった。家計債務の増大により個人消費が圧迫され、すでに鈍化しているインフレに下方圧力がかかる恐れがあることを示唆した。

前期比では0.5%上昇し、市場予想と一致。第1・四半期の伸びは0.6%に上方修正された。

賃金上昇率の鈍化を背景に、基調インフレ率はオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の目標である2─3%を下回る水準まで低下。中銀が昨年2回にわたる利下げを実施し、政策金利を過去最低の1.5%に引き下げる要因となった。

キャピタルエコノミクスのチーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「賃金上昇は年率で低迷している。賃金やインフレの低さからRBAは来年利上げを行わないと当社は予想しており、この見方を裏付けるものだ」と説明。「家計の実質賃金は過去1年間変わっておらず、消費の伸びはまもなく確実に鈍ることになるだろう」との見方を示した。

豪州では鉱業投資ブームの沈静化を経て、最近になり雇用が回復しており、政策担当者らはこれに伴って賃金も上昇すると予想している。だが、この日の報告書でみられる上昇の兆しは小さかった。製造業やヘルスケアなど、いずれの業界でも賃金上昇率は年間で2.6%以下だった。

第2・四半期は鉱山労働者の賃上げ率が最も高かったが、年率での賃上げは1.1%にとどまり、他の業種を下回った。公的セクターは2.4%、民間セクターは1.8%だった。

2017年 8月 16日 12:30 PM JST