>>507
そう。「物価を上げれば、景気が良くなる」という順番がそもそも逆で「悪いインフレ」。

*人々の給料や生活水準が上がって、人々の消費が拡大した結果物価が上昇して来るのは、
「良いインフレ」

大規模に金融緩和で円安にして、原材料や資源エネルギーなど輸入品の価格が上がったため、
企業がコストアップして物価が上昇するのは、
「悪いインフレ」。

(安倍政権による大規模な金融緩和によって、バブルを起こして景気が1年ほど良くなったのは確か。

しかし、「安倍政権や日銀は、その大規模な金融緩和を長い間やり過ぎた」。
そのために、日銀は国債を買い支えられなくなり、
将来的に、金利上昇による『不況』や『国の借金の拡大』、『過度な円安の進行』、
『急激なインフレ』などのリスクが増えてしまった。)

現状「悪いインフレ」のサイクルに入っているが、
以下の二つの理由で何となく各種にデータが良く景況感がある。

・一つは、たまたま1バーレル100ドルと高かった原油の価格が大きく下落したこと。

石油の価格が高いままだったら、
企業のコストアップや輸入品の割合が大きい一般家計への打撃から、不景気になっていたと思う。

・もう一つは金利が低いこと。

金利が日銀によって低く抑えられているから、
本来倒産など市場から撤退すべき収益性の低い企業(ゾンビ企業)までが
資金繰りに苦労せずに生き残っている。

石油の価格の下落、日銀による金利の抑制によって
現在、何となく各種のデータが良く景況感が人々にある。

*しかし、これはもう長く続かないと思う。

金利を低く抑えて来た日銀が安値の国債を大量に保有したために、
日銀は10兆円ほどの負債を抱えて債務超過に陥りつつあるから。

それらの理由で、日銀は国債を買い支えられなくなって来ている。

現在、国債の市場において、日銀の他に買い手がなかなかつかない状態。
(おそらくこれは今後も続くと思う)

日銀が国債を買い支えられないなら、金利が上昇して来る。
(金利と10年ものなど長期の国債とは連動していて、
「国債の価格が上がると、金利は低くなる」
「国債の価格が下がると、金利は上昇する」
という関係性がある。

つまり、「国債を買えば、金利を低く抑えることが出来る」が、
「国債を買え支えられなくなると、金利は上昇」して来る。)

そのため、国債を大量に保有している日銀や日本の金融機関などの資産が毀損され、
その煽りを受けて資金繰りが悪化したり倒産したりする企業が出て来る。
労働者はリストラされる。『不況』になる。

今は何となくデータや人々の景況感が良いが、
『日本政府』や『日銀』に出口戦略が無いなら、
これから将来的にはこのようになるリスクがある。