長崎労働局に2016年度に寄せられた労働者と事業主とのトラブルである「個別労働紛争」の相談が3001件(前年度比2・7%増)となり、制度創設の01年度以降、過去最高を記録した。労働局は「制度の認知度が高まった結果、相談者が増えた」と分析。景気回復による人手不足で、労働環境の悪化もあるとみている。

 個別労働紛争は労働基準法など、法令に違反するものを除いたトラブル。内訳では「いじめ・嫌がらせ」が814件(16・1%増)で、4年ぶりに最も多くなった。労働局によると、上司から勤務時間内に終わらない業務を押しつけられたり、時間外も電話で怒鳴られたりして、退職に至ったケースもあったという。

 次いで、退職を申し出てもスムーズに辞められない「自己都合退職」が677件(9・9%減)。「解雇」420件(5・3%増)、「労働条件引き下げ」269件(12・1%増)などが続いた。

 法律に基づく労働局長の助言・指導を望んだのは133件(17・7%増)で、過去最多を更新。このうち、9割超の114件で解決した。紛争調整委員会によるあっせん申請は38件(5・6%増)で、17件で合意が成立。19件は当事者の意見の隔たりが大きく、打ち切りになった。

 労働局は総合労働相談窓口を設置している。


=2017/08/23付 西日本新聞朝刊=

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/352763/