他人のさい帯血を使った再生医療が無届けで行われていた事件で、京都市の医療法人「愛幸会」実質運営者・坪秀祐しゅうすけ容疑者(60)が、さい帯血の投与後に死亡した患者の遺族に治療費の一部を返金していたことが捜査関係者への取材でわかった。

遺族が警察に相談したことが捜査の端緒になっており、愛媛、京都両府県警などの合同捜査本部は、坪容疑者が口止めを図ったとみている。

捜査関係者によると、坪容疑者が治療費の一部を返金したのは、2014年4月に死亡した高知県内の女性(当時72歳)の遺族。女性は末期の膵臓すいぞうがんで13年秋、松山市の自称・医学博士の男(70)に相談した。男はさい帯血の投与を勧め、愛幸会が運営する「京都健康クリニック」(京都市)を紹介。坪容疑者は同年12月、クリニックの医師らと女性宅を訪れ、さい帯血を点滴で女性に投与した。治療費は約500万円だった。

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2017年08月30日 09時14分
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