溶けた核燃料の取り出し方法提言 「気中工法」中心に
朝日新聞:2017年8月31日11時36分
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燃料デブリ 取り出しのイメージ


 東京電力福島第一原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し方法について、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は31日、
原子炉格納容器内の水位を低くしたまま空気中で取り出す「気中工法」を中心とする工法案を、国と東電に正式に提言した。
国と東電は9月にも取り出し方針を決め、来年度に詳しい取り出し方法を確定する。

 提言では、取り出し方法について、放射性物質の飛散を抑えるため格納容器を水で満たした状態で進める「冠水工法」は、格納容器などに開いた穴の補修などが難しく「現時点では実現性は低い」として、気中工法を挙げた。
圧力容器内のデブリの取り出しには構造物を撤去する必要があるため、格納容器の底に落ちたデブリを優先し、格納容器の横から入れるロボットアームなどの開発を進めるとしている。

 現在の廃炉工程表では、2021年に1〜3号機のいずれかで取り出しを始めることになっている。
ただ、デブリの正確な位置などの情報は得られていない。
同機構の山名元(はじむ)理事長は「目標時期を満たすために無理な判断をしてはならない」とし、炉内の状況を調べながら取り出しの方向性を柔軟に調整し、様々な工法を組み合わる必要があると指摘した。