http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170901/k10011121501000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_006

1日は「防災の日」です。ことしの政府の総合防災訓練は、首都直下地震で各地が激しい揺れに襲われたという想定で行われ、国や自治体の担当者が災害対応や連携の手順などを確認することになっています。

ことしの政府の総合防災訓練は午前7時すぎに、東京23区を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、各地で震度7や6強の激しい揺れを観測したという想定で行われます。

訓練が始まると総理大臣官邸に閣僚などが集まり、訓練のための「緊急災害対策本部会議」を開いて、被害状況や各省庁の対応状況を把握します。
また、国と自治体との連携を確認するため、神奈川県とテレビ会議を行い、被害状況や必要な支援などの報告を受けたうえで、対応を確認します。

さらに臨時の閣議で、人命救助を第一に、全国から被災地に自衛隊や警察、消防などの部隊を派遣し、救助や消火活動に全力を尽くすことや、膨大な数の被災者に対する避難所や生活必需品の確保に努めることなど、基本的な方針を決定します。

その後、安倍総理大臣が訓練のための記者会見を行い、政府の対応状況について説明するほか、国民に対して落ち着いた行動を取るよう呼びかけることにしています。

1日は、政府の訓練以外にも関東の1都3県と5つの政令指定都市が合同で訓練を行うなど、全国各地でさまざまな訓練が行われます。

首都直下地震とは

首都圏で甚大な被害が出るおそれのある「首都直下地震」は、政府の地震調査委員会が今後30年以内に70%の確率で起きると予測している、マグニチュード7程度の大地震です。

この地震について、専門家などで作る国の検討会は、東日本大震災を教訓に、平成25年に最大クラスの地震による被害想定と対策を公表しました。

東京都心南部の直下でマグニチュード7.3の大地震が起きた場合、東京の江戸川区と江東区で震度7、東京、千葉、埼玉、神奈川の4つの都県で震度6強の揺れに襲われると想定されています。

被害が最も大きいと想定されているのは、風が強い冬の夕方に地震が起きた場合で、全壊または焼失する建物は61万棟に上り、このうち火災によっておよそ41万2000棟が焼失するとされています。

また、死者はおよそ2万3000人に上り、その7割にあたるおよそ1万6000人は火災が原因で死亡するとされています。

そして、けが人は12万3000人、救助が必要な人は5万8000人、避難者数は720万人に達すると想定されています。

上下水道や電気などのライフラインや交通への影響も長期化し、鉄道は1週間から1か月程度運行できない状態が続くおそれがあるほか、食料や水、それにガソリンなどの燃料も不足した状態が続くとされています。

経済的な被害は、建物などの直接的な被害に加え、生産やサービスの低下により95兆3000億円に上ると想定されています。

9月1日 4時17分