https://www.cnn.co.jp/m/business/35105877.html

ニューヨーク(CNNMoney) 人脈作りというのは、恐ろしくて、気詰まりで、不愉快なものだ。毛嫌いするという人もいるかもしれない。

ただ、職探しには人脈作りが欠かせない。正しいやり方をすれば、あちこちの人間関係が夢の仕事につながる可能性もある。ビジネス向け交流サイト(SNS)大手の米リンクトインによれば、仕事口の85%は何らかの人脈を通じて埋まるという。

内向的な人をはじめ、人脈作りを嫌う向きは多い。人脈作りは臆面もない自己宣伝であり、いつわりのやり取りだと見なしているためだ。だが、実際は違う。

戦略コンサルタントで人脈作りについての著書もあるデボラ・ザック氏は、「人脈作りの主眼は深いやり取りをすること。意味のある長期的な方法で人と関わることだ」と指摘する。

米ノースウェスタン大学のキャリア・アドバイザー、レベッカ・ケーン氏は外向的な性格を自認しており、仕事の半分は人脈を通じて獲得してきたという。そんなケーン氏のような人にとっても人脈作りは気詰まりを感じることがある。

「イベントに行ったりすると、エネルギーを感じることもある。皆が同じ部屋にいて、自分らしくありたいと本当に思っていることから来るエネルギーだ。ただ、自分以外の誰かにならなければならないという感じも漂っている」

他人と打ち解けるためのケーン氏のコツは質問をすること。人は自分について話すのが好きなものだ。

「自分らしく」というのは陳腐な言い方だ。だがケーン氏によれば、肝心なのは前もって準備することだという。

後から思い出してもらえるような自己紹介のやり方を準備しよう。質問リストや、自分が話しやすいトピックをまとめておくことも必要だ。

日々の人間関係の構築と同様、人脈作りはギブ・アンド・テークだ。専門家は、相手の話に耳を傾けることが自分について話すのと同じくらい重要だと指摘する。人との共通点というのは思った以上に存在するものだ。

内向的な人の多くは自分の考えを徹底的に吟味するまで口を開かない。ザック氏は、内向的な人はこの特徴を活用して深い人間関係を構築するべきだと話す。

同氏のアドバイスは、20人と会わなければいけないという考えに圧倒されるのではなく、付き合って最も意味のある1人か2人と会うようにし、面会の前にリサーチするというもの。

面会の際は相手の話を注意深く聞く一方で、意味のある質問をしよう。

専門家は内向的な人へのアドバイスとして、イベントに早めに到着することを挙げる。他の人が既に会話をしていて、その輪に入っていきにくく感じるのを避けるためだ。

就職指導のキャリアの中でさまざまな層に対応してきたケーン氏は、若いデジタル世代は面と向かって人と話すのを重荷に感じる傾向にあるとの見方を示した。

スマートフォンなどについては、イベントで居心地が悪いような時には頼りになる場合もあると指摘。ただ、人と直接触れ合うことに時間とエネルギーを割く必要があるとしている。対人コミュニケーションの代わりとなるテクノロジーは存在しないためだ。

仕事の機会は家でただじっとしていて、パソコンで1日数百枚の履歴書を送信していれば空から降ってくるようなものではない。とにかく家の外に出て人と会おう――。ケーン氏はそう話した。

2017.09.02 Sat posted at 11:39 JST