9/3(日) 21:05配信

 「北朝鮮の核実験は深刻な挑発で、絶対黙認できない」。米国のダンフォード米統合参謀本部議長は3日、韓国軍の制服組トップとの電話協議でこうした認識で一致し、「早期に軍事対応」をすると確認した。韓国の聯合ニュースによると、米軍のステルス戦闘機F22などを朝鮮半島に展開することが検討されている。当面は追加経済制裁に加え、朝鮮半島周辺への戦略爆撃機派遣などを通じて緊張を高める方針とみられる。

 6回目の核実験は経済的な圧力強化による中国頼みの戦略が破綻したことを意味しており、トランプ政権は「方程式の見直し」(米ワシントン・ポスト紙)など戦略の再構築を迫られている。一方で、北朝鮮に対する直接的な軍事攻撃は日韓両国への「壊滅的な事態」(マティス米国防長官)を招く可能性が高い。北朝鮮への圧力強化と言っても、現実的には戦略爆撃機派遣など米軍主導でできる間接的な圧迫以外には対応策が見つからないのが実情だ。

 仮に米国が北朝鮮に対する軍事攻撃に踏み切れば、韓国との境界に配備された北朝鮮の大砲約8000門が反撃し、ソウル市民約1000万人に加え、2万8500人の在韓米軍を含めた約10万人の米国人が危険にさらされる。また、北朝鮮は短距離ミサイル「ノドン」や「スカッドER」を実戦配備しており、日本への攻撃も予想される。

 米国内には、1998年に核実験に踏み切ったパキスタンのように「北朝鮮を事実上の核兵器保有国と認める」との妥協論から、「軍事攻撃に踏み切るべきだ」との強硬論までさまざまな主張が交錯している。【ワシントン会川晴之】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170903-00000069-mai-int