0001みつを ★
2017/09/04(月) 21:38:27.70ID:CAP_USER9Una Galani
[ムンバイ 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)の先行きに暗雲が漂っている。中国とインドの国境紛争はBRICS首脳会議の開催とともに一歩後退した。これにより、中国の習近平国家主席は、重要な政治日程を前に体裁を保つことができたと言える。
ただ中印間の緊張の高まりは、現在開催中のBRICS首脳会議が最後の花道となる可能性を示唆している。
新興5カ国は欧米主導の国際秩序に対抗するために団結した。そのため、先進国市場において保護主義が広がるなか、開放的な世界経済を推進すべきという習主席の新たな主張がBRICS各国の支持を得るのは容易だ。BRICSは約10年前から、気候変動問題で譲歩を取り付け、国際通貨基金(IMF)などの国際機関において自身の地位を改善させてきた。
だが、購買力平価換算の域内総生産(GDP)で世界の約29%を占めるBRICSは、他の統合体と比べると共通点が乏しい。主要7カ国(G7)はいずれも豊かな先進工業国であり、民主政治を有する。また東南アジア諸国連合(ASEAN)や湾岸協力会議(GCC)の加盟国は少なくとも協力体制にある。BRICSにおいては各国の歴史から人口動態、政治、資源依存度に至るまで非常に多様だ。この大きな相違点はBRICSが「bloody ridiculous investment concept(ひどくばかげた投資概念)」の略称だと酷評される要因となっている。
足元では中印の致命的な問題が、不和を一層顕著にしている。摩擦の原因は、世界的な建設需要を押し上げる中国の「一帯一路」構想だ。インド政府は同構想について、借金を原動力に影響力を手に入れる試みであり、インド政府の統治権に対する脅威と捉えている。確かに中国による道路建設がインドと中国の国境論争につながっている。別のプロジェクトではパキスタンと、もう1つの紛争地域であるカシミール地域を貫通させる予定だ。
中国がBRICSの新開発銀行などに対するコミットメントは、「一帯一路」構想に比べれば、見劣りすることになる。これは首脳会議が開催されなくなるということを意味するものではない。ただ中国とインドが反発し合うことで、BRICSという枠組みは骨抜きになる可能性がある。
2017年 9月 4日 5:53 PM JST