地震発生を想定した訓練で、机の下に身を隠す松井一郎大阪府知事(右端)ら=大阪府貝塚市で2017年9月5日午前11時
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2017/09/05/20170905k0000e040270000p/9.jpg?1

南海トラフ巨大地震の発生を想定し、大阪府内の携帯電話・スマートフォンに緊急速報メール(エリアメール)を一斉送信する「大阪880万人訓練」(大阪府など主催)が5日午前、府内全域であった。情報を受けてとっさに行動できるかを確認し、普段の生活で身を守る行動や避難先について考えるのが狙いだ。

訓練は2011年の東日本大震災を機に12年から始まり6回目。貝塚市の府南部流域下水道事務所では、松井一郎知事も避難訓練に参加した。午前11時に地震が発生したとの想定で、事務所では松井知事も机の下に潜り込んだ。同3分には大津波警報を知らせる緊急速報メールが配信され、事務所の約10人が避難を始めた。沿岸部の事業者らも合流し、内陸部の同市立北小学校まで足早に移動した。

参加した同市の会社員、奥野友子さん(44)は「災害が起きた時にどうすべきか考えるいいきっかけになった」と話した。

訓練回数を重ねるにつれメール配信の対応率も上がり、初年度の4割程度が今年は83%(推定約731万台)に。地域の特性に応じて独自に避難指示のメールを送る自治体も増え、今回は府内43市町村のうち41市町村が参加した。同時間帯に大阪モノレールが運行中の全列車を1分間緊急停止させるなど、連動した取り組みもある。

ただ、海外の携帯やスマホを日本に持ち込んで使う場合、緊急速報メールは届かない。外国人が周囲で鳴るアラームに戸惑う可能性もあり、府などは訓練のチラシを多言語化するなどして周知した。

府災害対策課は「台風のようにある程度事前に予測できる災害と地震は違う。急に起こるので、戸惑うことなく体を守ることを意識する必要がある」と指摘している。【念佛明奈】

配信2017年9月5日 13時29分(最終更新 9月5日 13時38分)
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20170905/k00/00e/040/268000c