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ベトナムで終戦を迎え、その後も現地に残った旧日本軍の兵士、「残留日本兵」の子どもたちが来月、父親の祖国を一目見ようと、来日することになりました。

来日するのは、終戦をベトナムで迎え、その後も現地に残ってフランスとの独立戦争に加わるなどした「残留日本兵」の子どもたち13人です。

「残留日本兵」の多くは現地の女性と結婚し家庭を築きましたが、1950年代に入り、ベトナムと中国共産党との関係が深まる中、政府によって半ば強制的に日本に帰国させられ、多くの家族が生き別れになりました。

ベトナムに残った妻や子どもたちは経済的に苦しく、周囲から差別を受けるなど厳しい生活を送ってきました。

こうした事実は戦後、ほとんど知られていませんでしたが、ことし3月、天皇皇后両陛下との面会が実現したことで広く知られるようになりました。

その後「父親の祖国を訪れたい」という子どもたちの思いを実現しようと、日本の財団などが協力し、来日することが決まったということです。

子どもたちは来月18日から24日まで7日間の予定で東京や大阪を訪れて父親のことを知っている関係者などと面会するほか、父親の生まれ故郷を訪問することについても調整が行われているということです。
幼いころに父親と生き別れたグエン・ヴァン・フィさんは、「父の祖国である日本を見たことがないので日本に行くのをとても楽しみにしています」と話していました。

また、ことし3月に、天皇皇后両陛下に面会した93歳の母親のスアンさんは体調が悪化して現在は入院中で、日本に行くことは難しいということです。

フィさんは、「父はもう亡くなりましたが、父の祖国には行かなければいけないと思っています。母親の代わりに日本に行き、父が生まれ育った場所がどのような所なのか知りたいです」と来日に向けた思いを語っていました。

9月6日 6時46分

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